腰痛と関係がある片足のしびれの原因は・・・
- ヘルニア(椎間板症含む)
- 脊柱管狭窄症
- 腰椎分離症、滑り症
- 腰椎の圧迫骨折
- 糖尿病
- がん
などの腰の骨や椎間板など腰になんらかの疾患や変形があると考えることが一般的です。Livingに相談にいらっしゃる方には坐骨神経痛と言われて…という方もいます。
しかし鍼灸院Livingの鍼灸治療で片足のしびれが改善している方がいらっしゃいます。そこで腰痛と片足のしびれの原因を東洋医学的に解説していきたいと思います。
今まで言われていた足のしびれや痛みの原因って、もしかしたら違っていたかも…ということがわかりますので、最後までご覧下さい
筆者プロフィール

鍼灸師・柔道整復師
中野 妥昭(なかの やすあき)
柔道整復師取得後、整形外科に勤務。整骨院開業後は国民体育大会(競泳競技)にトレーナー帯同。自身も競泳で腰や膝を痛めて、リハビリに通院していたことから治療院に興味を持つ。未だに左膝は悪く、自分の体で実験をしながら、良いものを患者さんにフィードバックしています。
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片足のしびれの東洋医学的な原因

東洋医学では血虚(けっきょ:血が少ない)という状態になると、
- しびれ
- 足がつる
- 肌や髪が乾燥する/鮫肌
- 便通が悪くなる
- 目が霞む
- 夢を良くみる(→睡眠不足)
- 目の疲れ・クマ
- 物忘れ
などの症状がでます。
女性の場合は、生理痛・月経不順などの婦人科系の不調も出やすくなります。
直接的な原因(筋肉の硬さ)でも間接的な原因(体質:血虚)でも、「血」が大きく足のしびれに関わっているようです。
上記で、もし一つでも当てはまる方は、腰痛がなくても、足がしびれる可能性があります。2つ以上、当てはまる方は、今すぐご相談ください。
鍼灸院Livingで片足のしびれが治った事例
Livingで腰痛で足のしびれが軽くなっていった方は、血流の改善に伴ってしびれが軽くなる傾向があります。
ですので、鍼灸施術では、腰から足にかけての血流を良くするために、腰やお尻の筋肉をほぐすことを目指します。
同時に血の不足や滞りやすい体質を改善することを意識しています。
神経の圧迫を取る…というのは、あまり意識していません(理由は後述)
血管圧迫による片足のしびれ

腰痛と片足がしびれのある方は、血流の悪さが問題ではないかと考えています。正座を長くすると、腰痛で足がしびれてくるイメージです。
血流が戻れば、しびれもなくなるので、腰痛と片足のしびれがある方には、血流をよくする鍼灸施術をします。
血流が悪くなるのは、主に筋肉が硬くなることです。筋肉が硬くなると、血管が圧迫されて血流が悪くなります(ホースを踏むと、水の出が悪くなるイメージです)。
片足のしびれでは特に、お尻の筋肉が硬くなると血流が悪くなり腰痛で片足がしびれやすくなります。
筋肉で神経が圧迫されても問題ない?

腰痛で足のしびれの原因と思われている神経ですが、筋肉で圧迫された程度では問題ないのではないかと考えています。
片足のしびれを引き起こす検査やテストで圧迫するものは、ほとんどありません。片足のしびれを確認する神経テストは神経を伸ばして確認します。
その点、血管はホースのイメージで良いのですが、部分的に・ちょっと圧迫されても流れが悪くなります。
それに神経が圧迫されて、しびれが出るなら、ボディビルダーのほとんどのは手足がしびれているはず。
ボディビルダーに手足がしびれるから…と相談されたことはないので、神経が筋肉に圧迫されたとしても、しびれがでるほどではないはず。
となれば、女性の細くてしなやかな筋肉であれば、多少硬くなったくらいで、片足がしびれるほど神経を圧迫できないってことです。
余談ですが、手のしびれを確認するのは、血流を悪くさせること(圧迫や運動)で確認していきます。
腰痛で片足のしびれの症状

腰痛で足のしびれといっても、感じ方は人それぞれです。
- ピリピリ
- ジンジン
- ひきつる
- つっぱる
- 熱い(灼熱感)
- ズーン
- 重だるい
- 感覚が鈍い
これらをまとめて神経症状といったりします。
一概に電気が走るようにしびれるわけではありません。
東洋医学的には、ピリピリ・ジンジン・ひきつる・感覚が鈍いのは血虚、ズーンや重だるいは湿気の影響が関わっていることがあります。
足のしびれがでる場所
あまり太ももの前側がしびれることはないかもしれません。
主にしびれのでる足の場所は、、、
- 太ももの後ろ
- すねの外側
- 足の親指
- 足の甲
- 足の小指
- 足の裏
などです。
一応、それぞれ神経圧迫がどの腰椎で起こっているかの目安はありますが、必ずしも一致するものではないので、神経反射と合わせて判断します。
片足のしびれの原因まとめ
- 血管は圧迫に弱く、神経は圧迫に強い
- 反対に神経は伸ばされるのが嫌い
ですから、筋肉やヘルニアに神経が圧迫を受けて、腰痛で足がしびれることは多くないのです。
血管は圧迫の影響を受けやすいので、腰痛で足のしびれは血流が原因と考える理由です。
あなたがムッキムキのボディビルダーでない限り、筋肉の緊張が神経を圧迫して…という原因は、あまり考えなくて良いです。
まずはご自身が血に関する体質面の悪さがないか、一度ご相談ください。
鍼灸で片足のしびれを改善

まず腰やお尻の筋肉の緊張を緩和していきます。
お尻の筋肉は分厚いので、長めの鍼を使うことが多いです。硬さによっては鍼に電気を流します(苦手だったら、遠慮なくおっしゃってください)。
10分前後、電気鍼をしたら仰向けになって、体質面の鍼灸施術をおこないます。主に手足のツボを使って、血の問題を整えていきます。一回で改善することはないので、複数回の鍼灸施術が必要です。
坐骨神経痛のような痛みには筋膜へアプローチ
お尻の筋肉と、太ももの外側、ふくらはぎの外側は筋肉の膜(筋膜)でつながっています。この筋膜の硬さが坐骨神経痛のような腰痛で足のしびれを感じさせることがあります。その際は、ふくらはぎにも電気鍼を行います。
最近では、坐骨神経痛のような痛みに対しては、足の親指と人差し指の間(肝経)に電気鍼をすることがあります。なんだか痛そうですが、思っているより施術時の痛みはなく、痛みが取れやすいです。
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