腰痛の原因(筋肉や内臓、関節、精神的なものなど)を解説しています。
原因に加えて、動けないほど腰が痛い(ぎっくり腰になった)ときの対処法、腰痛予防の体操(運動・ストレッチ)などを紹介していきます。
永遠のテーマですが、腰痛は冷やす(冷シップ)?温める(温シップ)?などの疑問や湿布の使い方まで、お伝えします。
動画やより詳細な記事は少しずつ公開していきます。
長いので、目次を参考にお読みください。
腰痛とは
腰痛はヘルニアやぎっくり腰など、原因にかかわらず、腰が痛いことを言います。
そんなの当たり前やろって思うかもしれませんが、腰痛と言われた場合は【原因は関係ない】ので、ほとんど(80%)が原因不明と言われています。
レントゲンに異常がなくても、あなたが腰が痛いと感じるなら、それは腰痛だということ。
反対にヘルニアでも腰が痛くなれば腰痛ではないです。
腰痛の症状
腰痛で多いのは、前屈みになったり、のけぞったり、捻ると痛みがあること。
つまり動かすと辛い状態(動作(運動)時痛)です。
腰痛で足にしびれを感じる方もいらっしゃいます。
女性の場合は、生理前から生理中に重だるい腰痛を感じることがあるかもしれません。
参考▶︎片足のしびれの原因は?ツボを使った治し方(随時更新中)
腰痛の原因は大まかに分けると
- 体の使い方
- 骨格(筋肉、骨、姿勢)
- 神経(感覚、運動、自律神経)
- 内臓
- 鍼灸的原因
という具合に分けられます。腰痛の場合、骨格に問題があることがほとんどですが、いろんな要素が折り重なって起こります。
使い方の間違いで起こる腰痛
使い方の間違いで多いのは、長時間悪い姿勢が続くことです。
ただし、良い姿勢を長時間することも良くありません。
つまり、良くても悪くても同じ姿勢でいることは腰痛の原因になります。
こまめに姿勢を変えましょう。
最近では特にリモートワーク(在宅・テレワーク)の方々は注意が必要です。
自宅の机などは仕事用ではないので、姿勢が悪くなりやすく、それが続いてしまうことが多いからです。
骨格の乱れで起こる腰痛
骨は骨盤と腰から首まで全ての背骨、股関節、足首といった関節が硬すぎる。
反対にゆるすぎたりすることが問題になることが多いです。
え?腰だけじゃなくて、首や足の関節も影響があるの?と思ったかもしれませんが、体は互いに影響し合いながら、動いています。
ロボットのように、単独で動いていません。
腰を回す・ねじるには、肩甲骨の間の背骨と股関節、足首の動きがとても重要です。
腰が痛いから腰だけするのは、その場しのぎの施術になっています。ぜひ、全身の施術を受けてください。
参考▶︎骨盤の役割と腰痛の関係 | 腰痛改善の鍵は腰の骨以外にある!?(準備中)
もちろん、椎間板がすり減っていたり、背骨の骨折(圧迫骨折:いつのまにか骨折)、脊柱管狭窄症、腰椎分離・すべり症など骨自体の変形(変性)で起こる腰痛もあります。
これは整形外科などでレントゲンを撮らないと基本的にはわかりません。
*これらの病態があっても鍼灸施術は可能ですので、気軽にご相談ください。
筋肉が硬くなると腰痛に
これはイメージ通りかと思います。
腰痛で特に注目されるのは、筋肉は腸腰筋(とくに大腰筋)、お尻の筋肉、腰方形筋、広背筋、足の筋肉全般が固まることで起こります。
使い方の間違いから、筋肉の前後内外(拮抗)バランスが崩れ、使いすぎで緊張が続いたり、反対に使えずに短縮して腰痛が起こります。
神経系の乱れによる腰痛
神経は、とくに感覚神経が腰痛に影響します。
特に慢性的な腰痛は、鈍い痛みに分類されます。
この鈍い痛みはやっかいで、本当は痛くないけど、痛みを感じてしまう(感覚神経の異常)ことで、腰痛が慢性化していきます。
また感情と結びつくこともわかってきていて、イライラすると腰痛を感じることもあります。
参考▶︎慢性的な腰痛は神経の異常!?イライラも腰痛の原因に(準備中)
内臓からの腰痛
内臓というとちょっと怖いイメージがありますよね。
一番怖いのは癌(ガン)です。
背骨や大腸、直腸など腰に近いところにガンができると、関連痛といって腰痛のような痛みを感じることがあります。
ガンだけでなく、内臓器疾患(腎炎や膵炎、女性の場合、腎盂腎炎など)は関連痛として腰痛を引き起こすことがあります。
痛みの種類がいつもと違う、1ヶ月経っても全く良くならない・痛みの波がない、便が黒いまたは赤いなどありましたら、内科もしくは整形外科を受診されてください。
腰からお尻のが痛みで虫垂炎(いわゆる盲腸:もうちょう)だった方がいらっしゃいました。
鍼灸(東洋医学)的な腰痛
私たちがメインでアプローチするのが、東洋医学的な原因による腰痛です。
鍼灸(東洋医学)で腰の痛みと関係があるのは、足の経絡(けいらく:ツボの通り道)。
特に膀胱経と足の三陰(肝・脾・腎)です。
鍼灸の古典では、先に六腑(膀胱経)が病み、そこに感情や生活習慣の乱れが起こると五臓(三陰)が病むと言われています。
六腑は表面で一時的、病院にいくほどでもないもの、五臓は内側で慢性的、関節以外にも目や耳、冷え、下痢、生理の問題など様々な症状がでてきます。
ですから、できるだけ六腑の時点で鍼灸施術を始める方が、時間がかかりません。
いきなり知らない単語が出てきてしまいましたが、へぇ〜で十分です。
今は、慢性的な腰痛は、とにかく早く鍼灸施術を受ける、ということだけ覚えておいてください。
いかがでしたか?腰痛と言っても原因は様々で、一つの原因から起こるわけではなく、ミルフィーユのように折り重なっています。
腰痛で動けない時に良いツボ
ぎっくり腰で動けないという経験をした方も多いのではないでしょうか。
僕もその一人です。腰痛やぎっくり腰で動けいない時は、どんな対処が良いでしょうか。
まずは、痛くない状態でしばらくじっとする。
その間、ぎっくり腰の特効ツボ(腰腿点:ようたいてん)を推しましょう。
手の甲で人差し指と中指、薬指と小指の付け根あたりです(下記写真赤丸)。
少し動けるようになったら、整骨院や鍼灸院に連絡をしましょう。
腰痛には冷シップが無難
よく聞かれる温冷シップ(湿布)問題ですが、基本は冷シップを使うのが無難です。
どちらも、痛みを抑える成分を浸透させているだけなので、気持ち良い方を選んでください。
冷シップ(湿布)では、腰を冷やすことはできません。
ですから、ぎっくり腰で腰を冷やしたい時は、氷で冷やす(アイシング)しかありません。
ただ、最近は冷シップではなく、ロ◯ソニンテープやモー◯ステープなど、ヒヤッとしないタイプのものが多い気がします。
シップ(湿布)の使い方
シップの痛み成分が浸透するのに、だいたい1時間30分〜2時間くらいかかります。
反対に、2時間以上貼っても意味がないので、特に肌の弱い方は、1時間30分くらいで剥がしても良いです。
肌を少し休ませてから、もう一度新しいのを貼るなど工夫してみてください。
*かかりつけ医や薬剤師・登録販売者の指示に従い、容量・用法を守って正しく使ってください。
腰痛のアイシング方法
アイシングは、水で洗った氷をビニール袋に入れて、10〜15分冷やす+5分休憩+10〜15分冷やすと良いです。
絶対に冷凍庫から出してすぐの氷を使わないでください(凍傷の危険性あり)。
温めるか冷やすか迷ったとき
ぎっくり腰の直後で、患部に熱感がある場合は、冷やしましょう。
最近では、冷やしすぎると回復が遅れるという研究があります。
ある程度、痛みが治ってからは温める方が良いみたいです。
ぎっくり腰であっても、お灸は早期に始めることをおすすめです。
鍼灸施術での腰痛改善
ギックリ腰や慢性的な腰痛を鍼灸で改善するには、体質の見極めが必要です。
「鍼灸(東洋医学)的、腰の痛み」の項目でもお伝えした腰を通るツボ(膀胱経)や足のツボ(肝・腎・脾経)を主に施術していきます。
熱症状が強ければ鍼を中心に、冷え症状が強ければお灸を使っていきます。
ただし、どちらに偏ることは少なくて、熱と冷えが混在していることも多いです。
舌の脈の状態を見ながら、刺激方法や刺激量を変えながら反応を見ていきます。
季節や食事の影響も受けるので、その時期にあったセルフケア(生活習慣の見直し)もお伝えします。
できるだけ簡単で、今の生活に取り入れやすい無理のない方法を伝えています。実践できそうなことから始めてみてください。
もちろん、深層にある筋肉(局所)にもアプローチしますが、鍼刺激が適切でないと判断した場合は、腰への鍼は行わないこともあります。
腰痛でお困りの方
鍼灸院Livingで施術を受けたい方は、予約が必要です。
また施術も複数回必要なことが多いので、1ヶ月ほどの予定を確認いただくと、2回目以降の施術も効果的でスムーズに行えます。
平日の男性鍼灸師のによる施術は限られておりますので、ご希望の方はお早めにご連絡ください。