頭痛に悩まされて、毎日が憂鬱…
頭痛のたびに薬を飲み続けるのも不安
頭痛は、日本人の3人に1人が経験する身近なものです。頭痛の種類はさまざまですが、片頭痛は特に女性に多いと言われています。
身近な頭痛なので「鍼灸で頭痛は改善できますか?」というお問い合わせもあります。
頭痛があると、仕事や勉強に集中できず、日常生活にも支障をきたしますよね。とは言え頭痛薬の常用は副作用の心配です。また常用することで頭痛を引き起こす薬剤使用過多性頭痛というものもあります。
できれば頭痛薬を使わないで頭痛の頻度を下げていくことが理想です。
副作用のない鍼灸治療で、頭痛薬を使わない頭痛のない生活を目指すことも可能です。まずは頭痛について確認してきましょう。
筆者プロフィール
鍼灸師・柔道整復師
中野 妥昭(なかの やすあき)
柔道整復師取得後、整形外科に勤務。整骨院開業後は国民体育大会(競泳競技)にトレーナー帯同。自身も競泳で腰や膝を痛めて、リハビリに通院していたことから治療院に興味を持つ。未だに左膝は悪く、自分の体で実験をしながら、良いものを患者さんにフィードバックしています。
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頭痛の鍼灸治療
鍼を刺すことで、血行を促進したり、緊張(ストレスなど含む)の緩和、自律神経バランスの調整など、様々な頭痛の原因を根本から改善する効果が期待されています。
小倉北区にある鍼灸院Livingでは、ここで紹介する様々な頭痛に対応しております。お悩みの方は、今すぐご相談ください。
頭痛の種類
頭痛は一般的に3種類に分類されます。
4 | はカフェインの取りすぎなどで、頭痛が起こる頭痛(薬剤の使用過多による頭痛)
今回の記事では危険な頭痛(二次性頭痛)に関しては記載しておりません。いつもと違う頭痛を感じた場合は今すぐ医療機関の受診をお願いします。
緊張性頭痛
頭全体が締め付けられるような痛みがあり、頭の後ろやテッペンが痛くなることが多い方は、緊張性頭痛の可能性があります。
頻度は初期では1ヶ月に1回未満。進行すると慢性緊張性頭痛と言われ、月に1〜14日ほどの頻度で頭痛が起こります。
慢性緊張性頭痛に移行した多くの方が、薬剤使用過多性の頭痛を引き起こすことがあるので、月に数回のうちに鍼灸治療で対処してくことが重要です。
緊張性頭痛に伴う症状
基本的には肩こりなどの症状があると起こりやすく、随伴症状(音や光、匂いに敏感になる、嘔吐するなど)はないと言われていますが、稀に随伴症状を伴う緊張性頭痛もあるそうです。
片頭痛
日本人の片頭痛有病率は8.4%なので、10人に1人くらいの割合ですが、30代女性に限って言えば20%と5人に1人は片頭痛持ちと言われています。
また小学生3.5%、中学生5.0%と年齢を重ねるにつれ片頭痛が起こる割合も増えるので、片頭痛持ちのお子さんは早めに対処してあげたいですね。
片頭痛の前兆の種類
片頭痛の前兆は以下の6種類ありますが、前兆のない片頭痛もあります。
- 視覚症状
- 感覚症状
- 言語症状
- 運動麻痺(片麻痺性)
- 聴覚症状(耳鳴り含)やめまいなど(脳幹性)
- 網膜性
この中で一番多く起こる前兆は、1 | 視覚症状で光がジグザグに見えたりする(閃輝暗点)ことが多いです。
次に多いのは感覚症状で、体の一部がチクチクします。そこから体の片側や顔、舌に広がっていきます。
気をつけなかればいけないのは、4・5です。片頭痛の前兆で、片側がマヒして脱力する、耳鳴りやめまい+その他の前兆が二つ以上ある方は、身内の方に同じような前兆が起こらないか、脳梗塞の前兆(TIA)でないか、など一度確認していただけると良いでしょう。
6の網膜性は片目の視力低下が起こるのですが、これも脳梗塞の前兆(TIA)でないかなどの確認が必要です。
4〜6に該当する前兆が出た場合は、脳神経外科の受診をお願いします。
片頭痛の対処法
片頭痛が起こってしまったら、まずは早期の服薬が有効と言われています。かかりつけ医で処方された痛み止めを使用してください。
また暗い場所で休んだり、痛みのある場所を冷やすことも有効とされていますので、可能であれば休憩室などで安静にしましょう。可能であれば痛みのある場所を冷やすことも有効な場合があります。
注意が必要なのは、月に10回以上の片頭痛が起こるなど、割と慢性的に片頭痛がある方は「薬剤使用過多性頭痛」になることがあります。
早期の服用は大切ですが、自分がどの原因・誘因で片頭痛が起こりやすいのかを探り、できるだけ排除すること・予防をしっかり行なうことが重要です。
片頭痛への鍼灸の予防効果は?
ただし、急性期(頭痛発作時)は、薬よりは効果が弱いと言われています。
薬が使えない方(妊婦さんや副作用が強く出てしまう方など)、薬を使いたくない方、薬が使いづらい状況(子供の片頭痛など)でのオプション的な扱いとなっています。
片頭痛の予防に関しては、薬やサプリメント、漢方、ハーブなどと併用することで、大きな予防効果があると期待されています。
今、片頭痛の発作が出ている場合は、適切な薬を服用して、その後の予防に鍼治療を選ぶことは良いことですね。
参考文献:片頭痛の急性発作を治療するための鍼治療: ランダム化比較試験
片頭痛の急性発作を治療するための鍼治療: ランダム化比較試験(新しいタブで開く)
Li, Y.、Liang, F.、Yang, X.、Tian, X.、Yan, J.、Sun, G.、Chang, X.、Tang, Y.、Ma, T.、Zhou, L.、 Lan, L.、Yao, W.、および Zou, R. (2009)、「片頭痛の急性発作を治療するための鍼治療: ランダム化対照試験」。頭痛: 頭と顔の痛みのジャーナル、49: 805-816。
群発性頭痛
群発性頭痛は次のような症状があるものを言います。
- 片側の目の奥が激しく痛む
- 目の充血、涙が出る
- まぶたが腫れる、下がってくる
- 鼻がつまる、鼻水が出る
- 顔面の発汗
これらの症状は、自律神経(副交感神経)系の症状があることから「三叉神経・自律神経性頭痛」と呼ばれる頭痛の1種です。
数週〜数ヶ月間、夜間や睡眠中に頭痛発作が起こりやすく、男性に多い(女性の3〜7倍)と言われています。
飲酒・喫煙との関連もあり、3年以内の再発は83%で見られるということのなので、まずは生活習慣の見直しが必要です。
薬剤の使用過多による頭痛
これは痛み止めの使い方の間違い(使いすぎたり、予防のために痛み止めを飲むなど)で起こる頭痛のことです。
月に15回以上の頭痛があり、3ヶ月以上、定期的に痛み止めを飲んでいると、薬剤使用過多の頭痛の可能性があります。
薬の副作用も心配な方もいるかと思うので、できれば薬に頼らずに頭痛をコントロールできると良いですね。
そういった意味で、頭痛の鍼灸治療は副作用の心配なく、頭痛を軽減できる可能性が期待できます。
使用している痛み止めの種類によっては、急にやめてはダメなものもあります。使用しない場合は自己判断はせずに、かかりつけ医にご相談ください。
次は東洋医学的な頭痛について解説していきます。
東洋医学的な頭痛の原因と対策
血の不足(血虚)による頭痛
血の不足による頭痛(血虚頭痛)は、頭痛が慢性的で目まいや頭のだるさ、倦怠感などが伴った頭痛です。
長期化すると次に説明する瘀血による頭痛に発展することがあるので、注意が必要です。
血虚頭痛の対策
血虚は胃腸の問題が深く関わります。また東洋医学では血は水と気が交わったものです。普段水分が不足していないか注意し、暴飲暴食にならないようにしましょう。
血虚頭痛と関連しそうな頭痛の種類
- 片頭痛
- 緊張性頭痛
エネルギー不足による頭痛
エネルギー(気)の不足による頭痛は、めまいや鈍痛がおこります。肉体的・精神的疲労感に伴って感じるタイプの頭痛です。
耳鳴りや不眠、おりものが多いなどの症状を伴うもは腎虚頭痛。息切れや倦怠感、食欲不振などを伴う場合は気虚頭痛と言われます。
虚証の頭痛の対策
まずは疲労を溜め込まないようにしましょう。
すでに疲労感がある方は、ゆっくり休むことと、栄養をしっかり取れるように、胃腸に負担のないものから、少しずつ食事を取れるようにしましょう。
虚証頭痛と関連しそうな頭痛の種類
- 片頭痛
- 緊張性頭痛
血の塊(瘀血:おけつ)による頭痛
瘀血頭痛は、刺すような痛みのある頭痛です。だいたい痛みの出る場所は決まっていて、夜間に出ることもあります。
瘀血は生理痛、慢性的痛、四十肩などの原因にもなるので、なるべく早く除去したいですね。
瘀血頭痛の対策
瘀血は気血の不足や滞りでできる塊です。不足する原因は、やはり胃腸の問題。
普段から胃腸系に負担がかかっていないか、気をつけましょう。
滞りができやすので、運動不足にも注意が必要です。
虚証頭痛と関連しそうな頭痛の種類
- 緊張性頭痛
- 群発頭痛
- 片頭痛
むくみによる頭痛
東洋医学ではむくみは湿気の滞りと考えます。この湿気の滞りが頭痛を引き起こすのです。
痰が絡む、口の中が苦いなどがあれば、湿気の頭痛を疑います。雨の日に頭痛を感じるのも湿気頭痛です。普段から湿気を溜め込まないようにしましょう。
湿気頭痛の対策
湿気は、生もの(刺身や生野菜など)・乳製品・お酒、甘いもの・油濃いものなどは湿気を溜め込みやすいです。
タンパク質不足や塩分不足も、むくみに影響があります。反対に大豆製品やアボカドなどカリウムの多い食材は水分を排出してくれますので、取りたい栄養素です。
いずれにしても、バランスの良い食事が大切です。
虚証頭痛と関連しそうな頭痛の種類
- 片頭痛
- 緊張性頭痛
その他の東洋医学的な頭痛
- 肝陽頭痛(イライラしやすい人に多い)
- 胃火頭痛(前頭部の頭痛・便秘など)
- 太陽頭痛(後頭部の痛み)
- 少陽頭痛(側頭部の痛み)
- 陽明頭痛(前頭部〜目にかけて)
- 厥陰(けついん)頭痛(頭頂部や目の痛み)
3〜6の頭痛はツボの通り道(経絡)に沿った頭痛です。痛みは経絡上に出ることが多く、通り道にある目や耳などの痛みを伴うこともあります。
頭痛の鍼灸治療と効果
これまで見てきた通り、東洋医学の頭痛は、体質の問題が大いにかかわっているので、エネルギー不足の改善(胃腸の調子を整えるなど)、血流の悪さ、むくみなどがにアプローチしていきます。
ですから、頭痛の鍼灸治療は意外にも「痛みのある場所」に、あまり鍼はしません。特に拍動するようなズキズキ痛む頭痛の場合は、鍼灸治療後に痛みが増す場合があるからです。
もちろん、緊張性の頭痛(23.3%)は、顎(あご)の噛み締めや肩凝りなどの筋肉の緊張から起こることが多いので、それらが原因の1つであれば、筋肉にアプローチすることもあります。
いずれにしても鍼灸院Livingでは、あなたの頭痛がどのタイプかを見極めて、適切に鍼灸治療を進めています。
鍼灸院Livingの頭痛の治療例
Y・Mさん(50代女性)は顔の調子が悪く、疲れが顔に出やすい・凝りが取れない・肌の色が悪いとお悩みでした。
また首のこりが酷く、片頭痛も慢性的で痛みがある時はもちろん、予防として痛み止めを服用されていました(薬剤使用過多頭痛の疑い)。
施術を受けた感想
鍼灸施術により、肌のくすみが取れ、肌色は明るくなった。また、過労気味でも一定のコンディションを保てるようになったので、気持ちは元気でいられるのが嬉しい。
整体(註:骨格調整のこと)の後は、首や肩が一気に軽くなり体が楽になる。また顎関節症の痛みも改善された。継続することで良い状態を維持できていると思う。
日常的な生活習慣などで、改善できることをアドバイスしていただけるのが、とても助かります。個人的に鍼の痛みに敏感な方ですが、安心できるサロンなので、通わせていただいてます。
Yさんは、鍼がやや苦手だったので、鍼と骨格調整をセットでアプローチしました。
デスクワークだと、どうしても首肩の緊張、歯の食いしばりが強くなってしまいます。鍼は噛む筋肉や肩のこりへアプローチ、首の骨や顎の関節は骨格調整でアプローチしていきました。
毎月、頭痛があった日、痛み止めを服用した日・回数を提出してくださっていたのですが、少しずつ頻度が減っていきました。
薬剤使用過多頭痛も疑われているので、かかりつけ医と相談をしていただく必要がありますね。
頭痛の鍼灸治療Q&A
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場所:福岡県北九州市小倉北区魚町2丁目2−17 ファースト Bビル 5階
施術を受けたい方は、予約が必要です。下記、電話・LINE・オンライン予約のいずれかからご連絡ください。
施術は、複数回必要なことが多いです。1ヶ月ほどの予定を確認いただくと、2回目以降の施術も効果的でスムーズに行えます。女性鍼灸師を希望される場合は、指名での予約をお願いいたします(女性鍼灸師の予約は非常にとりづらい状況ですので、お早めに)。
鍼灸治療後に頭痛が…
鍼灸治療後に頭痛が起こることがあります。これは血流が良くなったことで脈を打つようにズキン・ズキンとした頭痛が起こります。
悪いものではありませんが、辛い場合は痛みのある場所を保冷剤(をタオルで包むなどして)などで冷やしてください。