『怒鳴る・相手を責める・否定する・ものに当たる』
こんな行動があるのなら、それは自分の怒りをコントロールできていない証。
しかし怒りは生きていくために大切な感情で生き残りをかけた警報ブザーです。
怒りを抑え込むと身体的ストレスにより、寿命が縮むことがわかっています。
まずは怒りが起こるメカニズムを知り、それをコントロールする方法を確認していきましょう!
筆者プロフィール
鍼灸師
福澤 はるか(ふくざわ はるか)
現在。薬膳や風水などを施術に取り入れながら鍼灸施術をおこなっている。
関東でエステティックに従事(支店長も経験)。父の病気を機に福岡に→北九州でリラクゼーションサロンに勤務しながら鍼灸師取得→Living開業後、結婚・出産を経験。自身も美容に関して日々、色々と試しながら良かったものをご提案しております。
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怒りのメカニズム
怒りは扁桃体で感じる
怒りは脳の扁桃体(怒り・不安・好き嫌いなどの情動反応を処理する領域)で感じ、前頭葉(理性的判断・冷静な判断を下す領域)で怒りを抑えています。
つまり前頭葉の抑制が外れると、怒りが噴出してしまうと言うことです。
セロトニンをたくさん運べるか
遺伝的な要素としては、セロトニン*を運ぶタンパク質=トランスポーター(=バケツ)の大きさの問題もあります。
バケツが大きい人ほどストレスに強いと言われています。
反対に、小さい人はストレスに弱いので、ちょっとしたことでイライラ・カーとしやすく、クヨクヨしがちです。
ちなみに日本人は小バケツタイプが多いそうです。
*精神を落ち着かせ・安定させるホルモン
怒りをコントロールするために
前頭葉を鍛えよう!
扁桃体が興奮している状態は、暴れ馬のように怒り狂っているような状態。
この馬を『ドードー』と飼い慣らす感覚が大切です。
扁桃体を飼い慣らすのは前頭葉。
前頭葉は、日々の人間関係で気を遣ったり、自分の感情をコントロールすることで活性化します。
人間関係に億劫にならずに、自分を客観的に捉えて、コントロールして前頭葉を鍛えましょう。
ちなみに老化による脳の萎縮は前頭葉から始まると言われています。
高齢になると怒りやすくなるのはそのせいです。
セロトニンを増やす/トリプトファンを取ろう
怒りやすい人はタンパク質不足というデータがあります。
それは、セロトニンの原料であるトリプトファン(必須アミノ酸の1つ)が少ないのかもしれません。
だからと言って、動物性の肉ばかりだと悪玉コレステロールが多くなりやすいので、大豆などの食物性タンパク質をバランス良く補いましょう。
また、セロトニン合成に必要な葉酸・鉄・ナイアシン・ビタミンB6など、食事だけで取ることが難しい場合は、サプリメントを取り入れても良いですね。
日光浴をしよう
セロトニンを大量分泌させるには日光が必要不可欠。
日向ぼっこ、朝は明るい照明を心掛けるだけでも違います。
逆に夜は明るい照明や電子機器など、強い光はNGです。
特に女性は生理周期の影響でセロトニン分泌が不安定。
朝起きたらカーテンを開ける・玄関を開けて掃除をするなど、出来るだけ日光を感じてください。
アンガーマネジメント
アンガーマネジメントとは、怒りを抑えるのではなく管理・コントロールすることを目指します。
これは『我慢する』とは違い『処理する』という過程になります。
アンガーマネジメントの3ステップ
*参考図書:【PR】精神科医が教える 後悔しない怒り方【電子書籍】[ 伊藤拓 ](楽天)
まずは口を閉じて、沈黙を維持する
今感じている怒りは、どの感情がトリガーになっているでしょうか?
A:Should | 〇〇すべきだ/〇〇であるべきだ という気持ちが裏切られた時 |
B:Want | 〇〇したい/〇〇が欲しい という欲求が叶わない時 |
C:Envy | 他人と自分を比較して 羨み・妬み・嫉妬などを感じた時 |
次のどのタイプに属しますか?
- 幼児性が強いタイプ
- 秩序愛が強いタイプ
- 他人より優位に立ちたいタイプ
- 抑圧・鬱傾向の強いタイプ
- 冷静分析タイプ
- 思い込みの激しいタイプ
例えば私(福澤)は、秩序愛が強いタイプなので「相手がすべきことをしないからイライラしてつい怒ってしまう」と分析(A+2)
怒りをコントロールするための行動を起こす(火消し)。
- 自分の考え方の癖(白黒思考・すべき思考・決めつけ思考など)を修正する
- 怒らない私に変える
- 男女の怒りの違いを理解する
- SNSやネットとの接し方を工夫する
- 冷静さを取り戻す方法を持つ
『冷静さを取り戻す方法』の具体例は
- その場を立ち去る
- 甘いものを一口食べる
- 数を数える
などなど
怒りに流されない
相手が子供や部下など指導が必要な際、冷静さの欠けた怒りは自分本位な怒りでしかなく、相手に『恐怖』は伝えられても本来の想いを伝えることは出来ません。
まずは大事なのは怒りを自分のコントロール下に置くことです。
怒りを感じたら、3ステップを思い出して、まずは自分を冷静に分析しましょう。
すぐに怒ってしまうのは肝気の問題かも
東洋医学(鍼灸)では、怒りは肝気の問題と言われています。
『カンにさわる』なんて言葉もありますが、肝は情緒の安定と深く関わっています。
肝は「木や草花が枝葉を自由に広げていく様」に例えられます。
この「自由に広げていく」というのが肝の働きが正常でなくなると、枝葉を自由に伸ばしたいのに伸ばせない。
フラストレーション、イライラが募り、いつかはドッカン!
青すじをたててヒクヒクしているそんな状態です。
怒りは体からのサイン
栄養(特に血)が足りないと、人はそれを補うべくサイン(イライラや怒り)を出します。
食生活の乱れや睡眠障害があったり、生理前にイライラすることもあります。
これは栄養(血)が足りていないために流れが滞ってしまうことが原因。
不足と停滞がイライラを募らせます。
早めにご相談ください
- すぐにカッとしてしまう(何かに当たって自己嫌悪になる)
- 怒りを鎮められない(頭痛がひどい)
- 自律神経系の乱れを感じる(生理痛や睡眠障害など)
これらは東洋医学的な観点からアプローチしてあげることで、和らいていくことが期待できます。
放っておくと、頭頂部の頭痛や胃腸系の不調、アレルギーなどを引き起こすことが(東洋医学的に)ありますので、気になる方は早めにご相談ください。
なお子供のイライラ(疳の虫)も承っております。
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