「最近、寝つきが悪くて困っている…」
「夜中に何度も目が覚めて、ぐっすり眠れない…」そんな睡眠障害、不眠の悩みを抱えていませんか?
実は、睡眠障害には様々な原因があり、人それぞれ。間違った対策をしてしまうと、症状が悪化してしまう可能性も。
この記事では睡眠のメカニズムから、あなたの睡眠障害のタイプ、東洋医学の観点から睡眠障害の原因、具体的な対策までを解説します。
睡眠にお悩みの方は、ぜひ読み進めてください。
筆者プロフィール

鍼灸師・柔道整復師
中野 妥昭(なかの やすあき)
柔道整復師取得後、整形外科に勤務。整骨院開業後は国民体育大会(競泳競技)にトレーナー帯同。自身も競泳で腰や膝を痛めて、リハビリに通院していたことから治療院に興味を持つ。未だに左膝は悪く、自分の体で実験をしながら、良いものを患者さんにフィードバックしています。
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睡眠のメカニズムを知ろう

睡眠欲求とは?
睡眠欲求は、疲労の蓄積とともに増えていきます。そのため、起きている時間が長くなるほど、その欲求は高まります。
この睡眠欲求に、体が覚醒を維持しようとする「覚醒力」が対抗することで、私たちは日中活動できます。
起床してから約15時間後、メラトニンというホルモンが分泌され始め、睡眠欲求はさらに高まり、入眠を助けます。
この時、手足の末端に熱が移動し、体の中心温度が下がってきます。これは、赤ちゃんが眠くなった時に手足が温かくなるのと同じ現象です。
反対に、体の中心温度が下がらないと、寝つきが悪くなります(入眠困難)。また、布団に入ってすぐに眠ってしまうのは、普段の睡眠が不足しているサインかもしれません。
入眠までに8分程度かかるのは正常な範囲ですので、焦らず待ちましょう。ただし、布団に入って30分以上眠れない場合は、入眠困難の可能性があります。
覚醒力とは?体内時計との関係性

覚醒力は、ホルモンや体内時計(自律神経)によって調節され、睡眠欲求に対抗して覚醒を維持します。
朝は、コルチゾールという副腎皮質ホルモンが分泌され、体温や血圧を上昇させ、体を覚醒させます。
また、光刺激を受けることでメラトニンの分泌が抑制され、体内時計がリセットされます。これにより、交感神経が優位になり、活動への準備が始まります。
覚醒力は、通常の入眠時刻の2時間前が最も強いと言われています。これは、日中の活動中(車の運転中など)に突然眠ってしまうのを防ぐための、体の防御反応です。
そのため、早く寝ようとしても、簡単には寝付けないことがあります。
メラトニンは、その日の入眠に大きく影響します。休日だからといって遅くまで寝ていると、体内時計が乱れ、入眠時刻がずれてしまいます。
できるだけ平日と同じ時間に起床し、朝日を浴びるようにしましょう。
ノンレム睡眠とレム睡眠
睡眠は、ノンレム睡眠とレム睡眠という二つの異なる状態を繰り返します。
ノンレム睡眠は、睡眠の前半に多く現れる深い眠りで、脳を休息させます。一方、レム睡眠は、睡眠の後半から朝にかけて多く現れる浅い眠りで、体の筋肉は休んでいますが、脳は活発に活動しています。
レム睡眠中は、脳が記憶の整理や夢を見ている状態です。そのため、レム睡眠の割合が多い早朝に近づくほど、夢を見やすくなります。
睡眠と覚醒のバランスが崩れると…

睡眠と覚醒のバランスが崩れると、メラトニンやコルチゾールなどのホルモンバランス、体内時計(自律神経)が乱れます。
またノンレム睡眠の質が低下し、レム睡眠の割合が増えることで、夜中に何度も目が覚めたり、夢を見て起きたりするなど、睡眠の質が悪化します。
- 寝つきが悪い(入眠困難)
- 夜中に何度も目が覚める(中途覚醒)
- 朝早く目が覚める(早朝覚醒)
- 熟睡感がない(熟眠困難)
などの睡眠障害がある方は、睡眠と覚醒のバランスが崩れている可能性があります。
睡眠バランスの乱れは食欲にも影響する
睡眠に関わるホルモンバランスが乱れると、食欲をコントロールするホルモンにも影響が出ます。
睡眠不足は、食欲増進ホルモン(グレリン)の分泌を増やし、食欲抑制ホルモン(レプチン)の分泌を減らすため、太りやすくなります。
睡眠障害(不眠症)がおこる東洋医学的原因
東洋医学での睡眠障害は主に二つの体質によって引き起こされると考えます。
- 入眠困難→陰虚タイプ(重度の場合は実熱タイプ)
- 中途覚醒・早朝覚醒・熟眠困難→血虚タイプ
これらの体質の原因は人によって異なりますが、基本的にはこの二つのパターンに分けられます。
僕の経験上、血虚タイプの方が悪化すると陰虚タイプになることが多いように思います。最初は夜中に目が覚める程度だったのが、徐々に寝つきも悪くなるというパターンです。
ホルモンバランスが乱れている場合、肌の調子にも影響が出ます。特に、毛穴の開き、脂性肌、ニキビなどが気になる方は、自覚がなくても睡眠障害の可能性があります。
中野/柔整・鍼灸以前、問診票で「熟睡できる」と回答したにもかかわらず、睡眠時間が5時間程度で、日中に強い眠気を感じ、すぐに寝付いてしまう方がいました。これは熟眠困難であり、睡眠時間も不足しています。
入眠困難:熱がこもっている
寝付くまでに30分以上かかる場合は、入眠困難である可能性があります。入眠困難は東洋医学では、熱がこもっていることが考えられます。
陰虚(いんきょ)や実熱(じつねつ)と言いますが、同じ熱でも種類が違い、また治療方針も変わってきます。陰虚の場合は陰を補う治療、実熱は熱を取り去る治療が必要です。
陰虚では嫌な夢をよく見たり、手足は冷たいのに体がほてったり、顔だけ汗をかくなどの不調があります。
中途・早朝覚醒・熟眠困難:血の不足
入眠はできるけど、途中で目が醒める・朝早くに起きてしまう場合は血が不足しています(血虚)。
目や肌が乾燥したり、コロコロした便がでたり、足がつったりすることが多い方は血虚性の不眠(中途覚醒)が考えられます。
治療法は血を補う…なのですが、鍼灸治療をしたら血がブワッと増えることはないので、血が不足する原因を突き止め、あなたにあった鍼灸治療を受ける必要があります。だいたい胃腸系に問題があることが多いです。
ちなみに血は陰性のものなので、不足した状態が続くと陰虚につながり、入眠困難も併発しますので、早めの対処が必要です。
なお、夜中に目が覚めてもすぐに寝れる場合は、あまり気にしなくて良いです(ただし1回まで)。途中、目が覚めても、すぐに寝れるけど、夜中に2回以上起きる場合は、鍼灸治療が必要です。
質の高い睡眠のために
質の高い睡眠を得るには、睡眠に関わるホルモンバランス・自律神経の乱れ・体質を改善することが重要です。特にメラトニンの分泌をコントロールすることは、スムーズな入眠と深いノンレム睡眠に不可欠です。
メラトニンの特徴と分泌を促す方法
メラトニンは光に反応するため、夜に強い光を浴びると分泌が抑制されます。帰宅時にコンビニに寄ったり、寝る前にスマートフォンやテレビを見たりするのは控えましょう。
また、メラトニンの材料となるセロトニンも重要です。セロトニンは、必須アミノ酸のトリプトファンとビタミン、ミネラルから生成されます。
トリプトファン+ビタミン+ミネラル→セロトニン→メラトニン
つまり、日光を浴びるだけではメラトニンは分泌されず、トリプトファン(必須アミノ酸の1つ)を含む食品を摂取する必要があります。
ストレスは睡眠の大敵
コルチゾールは、朝の目覚めを促すだけでなく、ストレスに対抗してくれたり、炎症を抑えたりする良いホルモンである一方、コルチゾールの過剰な分泌は、胃潰瘍などの原因にもなります。
ストレスを感じやすい環境にいると、コルチゾール分泌過剰になるのでストレスコントロールも重要です。



僕の考察ですが、コルチゾール分泌過剰だと夜中や早朝に目が覚めやすくなるのかなと思います。実際、ストレス状態が続くと睡眠に影響ありますよね。
不眠症の睡眠改善法7つ
1. 起床・入眠時間の見直し


起床時に光を浴びた頃から15時間前後で、入眠を促すホルモン(メラトニン)が分泌されます。例えば朝7時に起床した場合は、22時頃からメラトニンの分泌が始まり睡眠が促される、といった具合。
日照時間などが変わってくると、体のリズムが崩れてくるので体調を崩しがちに。なので、少し起床時間をずらすなどして、リズムを整える必要があります。
2月は、これまでよりも10〜15分早く起きるようにすると、春先までに良い睡眠リズムを整えられます。3月はさらに5〜10分ほど早めに起きてみてください。
2. 光の活用


- 朝の光を浴びる: 朝起きたら、太陽の光を浴びましょう。体内時計をリセットする効果があります。
- 夜の光を控える: 就寝前は、スマートフォンやパソコンの画面を見るのを避けましょう。ショート動画の閲覧は良くありません。
- コンビニに立ち寄らない:コンビニ店内の光は強く覚醒作用があります。特に夜遅くは避けて通りましょう。
3. 食事
- カフェインを控える: 就寝前は、カフェインを摂取するのを避けましょう。
- 温かい飲み物: 就寝前に、温かいミルクやハーブティーなどを飲むと、リラックス効果があります。
- ナスを食べる: ナス由来コリンエステルが睡眠を改善する研究結果があります。
食事はあげればキリがないほどあります。まずはバランスの良い食事で暴飲暴食は避けましょう
参考記事(外部サイト):ウェルナス、ナスの睡眠改善に関する特許を取得
4. 運動


- 適度な運動: 日中は、適度な運動をしましょう。ウォーキングやストレッチなどがおすすめ。
- 激しい運動は避ける: 就寝前に激しい運動をすると、寝つきが悪くなることがあります。
5. リラックス


- 入浴: 就寝90分前に、40℃ほどのお風呂に入ると、睡眠を促す効果があります。
- アロマテラピー: リラックス効果のあるアロマオイルを焚いたり、アロマバスを楽しむのもおすすめ。
- メールの返信は避ける: 夜に頭を使う作業をすると入眠困難を引き起こします。
6. その他


- 噛み癖の改善: 日中の噛み癖は就寝中の強い歯軋りにつながります。
- ストレス解消: ストレスを溜め込まず、自分に合った方法で解消しましょう。ストレスの溜め込みは噛み癖につながります
これらの解決策やセルフケアを参考に、ご自身の生活に取り入れやすいものから試してみてください。
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睡眠リズムを整えましょう


睡眠のリズムを整えることは、健康な生活を送る上で非常に重要です。鍼灸治療では、睡眠の質を改善するツボや、自律神経のバランスを整えるツボを刺激することで、睡眠リズムを整えることができます。睡眠不足や体調不良でお悩みの方は、ぜひご相談ください。














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